ライブ授業編(※一教員としての感想です)
ZoomやTeams、Google Meetを利用したライブ授業だが、こちらは顔出しを嫌う学生の問題が残っている。教員としては、やはり対面授業と同様に学生の顔を見ながら授業を行いたいのだが、顔出しを嫌う学生が多く存在することによってなかなか実現しない。
顔出しを嫌う理由を考察してみた。一番初めに思い浮かぶのが身だしなみだ。顔出しさえしなければ、寝起きのままでも良いわけであり、コロナ禍において外出を控えている学生が身だしなみを整えることをめんどうと感じるのはもっともなことだ。次に室内が映り込むことに抵抗感があるということが想像に難くない。片付いていない、みすぼらしいから見せたくないなど、感じ方はひとそれぞれではあるだろうが、これも要因の一つである。最後に考えられるのは録画されて再利用されることに恐怖感じている学生がいるであろうことが考えられる。教員としては録画しておいて、次年度の授業にも流用したいと考えるのだが、これは控えたほうが良さそうだ。
ライブ授業において顔出しを強制することの是非は様々な意見があるだろうが、教員視点だとやはり顔出ししてもらいたいという気持ちが強く、可能であれば強制したいところだ。しかし、強制するには前述した問題、特に室内が映り込むことで貧富の差が見え隠れする状況では、強制するといじめや差別につながる可能性も潜在的にあると感じている。仮想背景を使えばよいのではと思う方もいるが、ここでも貧富の差が見え隠れする。そう、性能の低いパソコンでは背景をうまく合成できないのである。特に昨今授業でよく利用されているZoomはCPUのコア数が4個以上無いと、背景にグリーンスクリーンを設置しないときれいに合成することが出来ず、結局は仮想背景を使えないということになる。こういった問題を鑑みるに、顔出しは強制すべきではないと私は結論付ける。
教育効果についてだが、顔出ししている学生としていない学生では、やはり効果が異なる。とくに発言がかぶってしまったりした場合、教員は誰が発言したのかわからず困るシーンがある。その場で聞けば良いのだが、受講生の人数や会話の流れによってはそのまま流されてしまい誰かわからなくなることもある。これが原因で学生へ的確なフィードバックが出来ないことがあり、教育効果に若干ではあるものの差が出てくる。一方、顔出ししている学生はその表情や動作で、この子が話していると特定しやすく、フィードバックも受けやすい上、教員にとっても話しかけやすく、その恩恵はかなりのものと思われる。